<シビック庵>だより【2022年の記事】

シビック庵でのお稽古の様子をお伝えします。


2022年11月

今年は紅葉の色付きが早く、師走に入り地面に吹き寄せられて美しく、四季の移ろいを感じます。

 

利休の孫宗旦は、吐く息が白く見える時季を炉開きとしたとのことですが、先人は五感を研ぎ澄まして、巡る季節を感じ取っていたのでしょう。

 

11月より炉に変わり、受講生の皆様は戸惑いながら、熱心にお点前に励んでいらっしゃいました。

 

令和5年もコロナにまけずに、お過ごしくださいませ。

1月のお稽古は、第5火曜日31日でございます。

皆様にお目にかかれます日を、楽しみにしております。

 

掛物: 閑座聴松風(かんざしてしょうふうをきく)

一切の雑念を捨て松風の音を聴く。

 

花: 白玉椿   白花万作の照り葉

 

お菓子: 紅葉の帳   豊島屋製

 



2022年10月

木々の葉もすっかり色づいて秋の深まりを感じさせます。

 

10月の講座は皆さん薄茶点前のお稽古です。

ひとつひとつ手順を確かめながらお点前を進めます。次になさる方も同じように手を動かして一緒に所作を学びます。

緊張しながらやっと一服にたどりつきました。

 

11月は炉開きです。

次回のシビック庵11月22日は今年最後の講座になります。

これから日一日と寒さに向かいます。

どうぞご自愛ください。

 

掛物: 閑座聴松風

花: だるま菊、水引

お菓子: 銀杏(豊島屋製)



2022年9月

初秋の日本列島は幾多の台風にみまわれ、被害に遭われた方々には、お見舞い申しあげます。

 

日の出も遅くなり、涼風に芒の穂がたなびく様子に、季節の移ろいを感じます。

受講生はコロナ禍で、2ケ月間の休講開けにもかかわらず、一歩前進されお点前や割稽古に挑戦されました。

 

朝晩の寒暖差に体調を崩されませんように、皆様どうぞお気を付けくださいませ。

 

掛け物: 和敬清寂

花: 萩、芒

お菓子: よわい草(よわいぐさ…菊の別名) 豊島屋製



2022年8月

8月も残念ながらシビック庵は休講です。

猛暑が続く中、冷房の効いた部屋で一服いただきました。

涼しげなお菓子をと求めた錦玉。真夏の青い空にもくもくと湧いた雲、夏の景色が切り取られ菓子の中に現れたようです。錦玉というと水辺のイメージでしたので、とても新鮮な感じがしました。

暑いので冷たいものを飲むことが多くなりますが、お茶をたてて一服すると心なしか体が〝しゃん〟となるような気がいたします。

 

お稽古の日以外でもお茶をたててみてはいかがでしょうか。お菓子を探すのも楽しみです。和菓子は四季の美しさ、その季節ならではの草花、風景、行事などを小さな世界に表現してくれます。

 

次回のシビック庵、9月27日は予定どおり開講できることを願います。

お彼岸も過ぎてすっかり秋らしくなっていることでしょう。

どんなお菓子と出会えるかお楽しみに…

みなさまご自愛ください。

 

・菓子 「夏空」「向日葵」 長門製



2022年7月

暑中お見舞い申し上げます。

コロナ禍、7月のシビック庵は中止になりました。一日も早い終息を願ってやみません。

 

蝉時雨の中、涼を求めて水について触れてみたいと思います。

古来、お茶においしい水が色々言われています。

茶人の龍渓和尚は、お茶においしい水を求めて天竜川を上り、源の「猿庫の泉(さるくらのいずみ)」を探し当てたといわれます。

飯田市の城主も毎朝家来に馬駆けで「猿庫の泉」を城内に運ばせ、お茶を点てたと伝わっています。

「猿倉の泉」は飯田市風越山の麓にひっそり佇んでいました。ペットボトル片手に、水を汲みに来ている方と出会いました。冷たく甘い水は、日本名水100選にも選ばれています。

 

次回8月23日、シビック庵が無事開催できますよう願っております。

 

参考:

環境庁選定「名水百選」

南信州ナビ

「南信州.com」



2022年6月

6月末には早く梅雨明けをし、真夏のような暑さ続きでございます。

 

この暑さのなか7名の方にお越しいただき、密にならないように広間と小間にお釜を掛けお稽古をいたしました。

 

受講生の方はお点前をなさりご自服でお茶を召し上がって頂き、体験の方もお茶盌に入れたお茶で茶筅を振り、ご自服していただきました。

 

お仕事を終えての一服のお茶とお菓子が、お疲れを凌ぐひとときでありますよう、願っております。

 

掛け物 : 和敬清寂

花 : 擬宝珠 (ぎぼうし)

お菓子 : 枇杷 (びわ) 豊島屋製



2022年5月

新緑の五月から梅雨の季節に移ろうとしています。

茶席は風炉になりました。風炉のお稽古は3年ぶりです。

今回の受講者は3名。お一人は

3回目のお稽古で割り稽古も進みました。

もうお一人は、2年ぶりのお稽古です。懐かしいお顔にスタッフも大歓迎。「初心者のつもりで一から…」と袱紗さばきから始まりましたが、お稽古の感覚が戻ってきたのか、自ら道具のお運びにも挑戦されました。

 

体験で参加された方は、襖の開け方、歩き方、床の間の拝見の仕方、袱紗のたたみ方を学ばれました。「えっ、歩き方ですか?」と驚かれていましたが、すぐに自然に歩いていらっしゃいました。茶筅でお茶をたてるのは初めてとのこと、お自服してほっとされたご様子でした。

 

講座再開から3回目、久しぶりにお稽古に戻った時に「ああ、楽しい!」と感じていただけると幸いです。

早く皆様と従来のお茶のお稽古ができることを祈るばかりです。

 

お菓子   清流  豊島屋製

花     あざみ

掛け物   大道透長安



2022年4月

陽春の候、あいにくの雨の中、今年2回目のお稽古となりました。

 

永年お茶をなさっていらした受講生は、所作がきれいでした。

茶道には色々な流派がございますが、求める所は一つと、改めて感じた次第でございます。

 

掛け物: 「日日是好日」 ―毎日が穏やかで良い日でありますように。

何があってもあるがままに受け止め、1日1日を大切に生きる様―

 

花: 芍薬。

 

菓子: あやめ餅、豊島屋製。

 

シビック庵は、お点前だけでなくお茶席の雰囲気に浸りたい方、お席の入り方など学びたい方、美味しいお菓子を召し上がりホッと一息なさりたい方等、大歓迎でございます。

お申込み後、ご都合が悪くなりましたら、ご一報をお願い致します。

 

5月から風炉のお点前になります。薫風の中、お気軽にお越し下さいませ。



2022年3月

桜の蕾も開花し、春の訪れを感じます。

2年振りに教室が開講され、感染対策をとりながらお稽古に励みました。

 

熱心な受講生はお点前をなさり、ご自服を楽しまれました。又体験の方は、6歳から30年間茶道に親しまれた方で、お茶盌に入れられたお茶で、当流の利休型茶筅の振り方を体験され、ご自服されました。

 

掛け物  和敬静寂(わけいせいじゃく)

− 茶道の心得を示し、主人とお客が互いを敬い茶室の調和を心がけ心清らかに茶を楽しむ −

 

花  貝母 (ばいも)

菓子  蝶々  豊島屋製