<シビック庵>だより

シビック庵でのお稽古の様子をお伝えします。
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2020年6月

緑の葉蔭も色濃くなってまいりました。ご機嫌よろしゅうございます。6月もシビック庵は、休講になります。

 

人の世の騒ぎをよそに、花は次々と咲いていきます。夏草も色々出てまいりましたので、今回は写真を多くしてみました。

 

茶室は総合美と申し道具組にも気を遣いますが、全体のバランスを考えながら手持ちの道具類で組み合わせを考えるのも、又楽しみでございます。

 

季節の道具類でしつらえた空間に花が入る時、部屋に命が宿るのを感じます。一般に、花は下座に飾ります。

 

たとえば<諸飾り(もろかざり)>では、真ん中の掛け軸を挟んで、上座に香合を下座に花を飾ります。

下座は柱付(柱があるほう)ですが、部屋によってはわかりにくい事もあり、床の間の陽の光が入る方を上座、水屋が有る方を下座と考えると、わかり易いと思います。

 

これは、香合が花より格が上の故もありますが、下座に花を飾る事で正客から花がみえ易く、又、陽の入る方に花を置くと、掛け軸に花の影が映るのを避ける為でもあります。

 

以前、師に「見ごろ寛容という言葉もあり、一概に決められないのよ」と教えて頂き、奥の深い事、一生勉強と思いました。

 

茶の道を学ぶ事は堅苦しいものではなく「重いものは軽く見えるように扱い、軽いものは重く見えるように...、暑い時には涼しく、寒い時は暖かに...」等、利休の教えは、現代のおもてなしの心にも通じます。

 

当流は、歩き方も「畳一畳を五歩、六歩」と、一律に何歩と決めるのでなくその方に合わせて自然なので、無理なく親しめると思います。

 

教室再開のあかつきには、入口に消毒薬、茶巾は各自、取り回しを避け御菓子も銘々皿になど、三密を避けたコロナ対策をこうじながら、皆様と<茶の心>を一緒に学んでいきたいと考えております。

 

コラージュ1

 

<上段か左から右>へ

1. 山紫陽花(やまあじさい)

2. 金糸梅(きんしばい)

3. 山吹升麻(やまぶきしょうま);葉が山吹の葉に似ている。

 

<中段左から右>へ

4. 令法(りょうぶ);秋に紅葉した葉も使います。

5. 山法師(やまぼうし)

6. 蛍袋(ほたるぶくろ);子供が蛍を入れ遊んだという。

 

<下段左から右>へ

7. 京鹿の子;後ろのオレンジの百合のような花は、姫萱草(ひめかんぞう)(註 1)

8. 美央柳(びおうやなぎ・びょうやなぎ);別名美女柳

9. 岩煙草(いわたばこ);葉が煙草の葉に似ているので名付けられたそうです。

 

(註1)

萱 草;別名忘れ草とも言い、悲しみを忘れる為身につけたことから、王朝人は喪の襲(かさね)として、萱草色の袴を身につけたようです。当時、亡くなった方の親しさに応じ鈍色(にびいろ、墨色)の濃淡を身につけたようで、「源氏物語」の中にも源氏の正妻葵の上の喪に服す時、仕えた女房たちが墨色の上に、萱草色の袴を重ねた場面が描かれています。


コラージュ2

 

<上段左から右>へ

10. 下野草(しもつけそう)

11. 下野(しもつけ);京鹿の子や下野草と似ていますが、前者は草、下野は低木です。

 

<真ん中>

12. 泰山木(たいさんぼく)

 

<下段左から右>へ

14. アカゲラ:子育て中

13. 定家蔓(ていかかずら);可憐な花は猛毒。

近くの塀に群生しており香りも良く見惚れておりました。数年前、能「定家」(*2)をみて、名前の由来を知ってから花を見る度に複雑な思いにかられます。  

 

(註 2)

藤原定家の元住まいに雨宿りした僧の前に、定家の思い人、式子内親王の霊が現れ、墓前に案内される。経緯を聞き僧が読経すると、恋人への思いで墓に絡みついた蔓と墓はかき消え、女性は成仏する。その後、いつともなく再び蔓が生え、後年、この蔓は<定家蔓>と呼ばれたという。


こちらの四角い写真をクリック(タップ)すると、大きいサイズの写真をご覧になれます。


2020年5月

新緑の美しいこの頃でございます。

このたびのコロナウィルスに罹患された方、生活に影響を受けられた方々に、心からお見舞い申し上げます。

 

風炉の季節を迎えました。

今月もシビック庵は、休講になります。本来なら、清々しい風がお席に満ちる季節でございますが、「薫風自南来」、心清らかな茶境を心がけたく存じます。

 

茶花は、一種二種と申しますが、風炉の季節は、色々寄せて良い事になっており、草物がいろいろ出てくる季節なので自然に従って、と聞いた事がございます。

籠も使うことが出来、涼を添えます。

 

利休七則に「花は野にあるように」との言葉があり、昔から「花は足でいけよ」と言われます。自分で探せば、その植物の本来育っている姿がわかります。

植物の出生(しゅっしょう)をよく見て、野に咲く自然から与えられた、あるがままの姿を映したお席を心がけたいと思います。

都会におりますと、公園や道端で花を摘むこともままならず、花屋さんは江戸時代に出来たと言われておりますが、利休居士は今の世なら、何と仰るでしょうか?

 

山に、卯の花が咲きだしました。

「卯の花の匂う垣根に…♪」と、小学唱歌にも歌われましたが、卯の花和え、卯の花腐し(うのはなくたし、卯の花の咲くころ降る長雨)、卯の花襲等、植物の名が使われることが多いのは、日本には四季があり植物が身近だったからなのでしょう。

1月に黄色から始まり、桃色と進んできた花の色も、白、青、紫と涼しげな色になって参りました。自然は、時を運んでくれます。

一日も早い収束を、願っております。

 


*淡いピンクの谷空木(たにうつぎ)。

 

*おからの様に細かな白い5花弁と、黄色い雄蕊の卯の花(別名: 空木)。

『枕草子』の中に、時鳥の声を聞きに郊外へ出かけた清少納言達が、途中民家の垣根の卯の花がきれいなので、手折って、長い枝を牛車の屋根や脇などに挿したら、「卯の花の垣根を牛が引いているようだった」と楽しそうな記述があります。


*うつむき加減の白い花と細長い葉の紫蘭

普通は赤紫色で、秋に紅葉した葉も使います。

 

*丸い玉のような蕾の濃いピンクが芍薬

牡丹と芍薬は似ていますが、牡丹は木、芍薬は草です。


*固まった白い花が、垂れ下がったのは、岩がさ

バラ科の高山植物です。

 

*クリームの大輪3輪は、牡丹

茶花では蕾を使います。



2020年4月

新型コロナウイルス蔓延の為、会場が閉館となり、今月もシビック庵は休講となりました。胸痛むニュースが伝えられ、政府からの外出自粛要請もあり、春とはいえ心沈む日々でございますが、可憐に咲く花に慰められます。

 

今年は春が早いためか、例年より花達が次々に色とりどりに咲き、春を謳歌しています。多くの人々の目にとまる花も、道端に人知れず咲く花も、「花紅柳緑」、一瞬一瞬を力いっぱい生きている、あるがままのその姿に、限りない生命の息吹を感じるこの頃でございます。

一日も早い新型コロナウイルスの終焉と、皆様のご健康を心からお祈り申し上げております。

 

 

 


*白い丸い花弁(のようにみえる苞)はイチリンソウ。

 

*白いとがった花弁を船の碇(錨)に見立てた碇草(いかりそう)。

 

*山芍薬は深山の樹木の足元に清らかに咲く花。白い花弁に黄色い雄蕊に奥にほんのり赤がのぞき、秋には柘榴のようにはじけた実が黒と赤で美しく、花も実も茶花に使われます。

 


*濃茶色はムサシアブミ、その名から男の子の節句の頃の茶会に使われることが多いようです。

 

*お仲間の浦島草。苞の中から釣り糸のような糸状の物が伸び、浦島太郎の釣り姿に見立てて名付けられました。

 

 


*濃いピンク色の海棠は、桜に続いて咲く樹木。中国原産でうつむきがちな蕾は美女の涙にたとえられます。

 

*紫の花はオオアラセイトウ。紫花菜(ムラサキハナナ)、諸葛菜(ショカツサイ)の別名があり、線路脇や山の端等に群生します。



2020年3月

3月のお稽古は、コロナウイルス蔓延の為中止になりました。

 

例年より早い桜開花のこの頃でございます。

 

いよいよ春本番、花冷えの季節となりますので、皆様のご健康と、いっときも早い収束をお祈り申し上げております。

 



2020年2月25日・第37回

梅の花に誘われて、鶯の初音も聴かれる頃になりました。春の花は黄色から咲き始め、桃色へと山々も華やぎを増してきます。世界中で蔓延しているウイルスのことも、一時忘れさせてくれるようです。

 

今回は、お子様も成長され、20年振りに茶道をなさりたい方が見学にこられ、懐かしそうに一服のお茶と雰囲気を味わっていらっしゃいました。

受講生の皆様も熱心に、割稽古に励んでいらっしゃるご様子でした。

割り稽古を一通りしてから、お点前を半分づつ交代して頂きました。

花は檀香梅に椿、菓子銘は山茱萸、豊島屋製でした。

 

シビック庵は、お茶のお点前をなさりたい方だけでなく、お茶のお話しをお聞きになりたい方、お茶とお菓子で一服なさりたい方等歓迎しております。

お茶の心を感じていただける教室になるよう願っております。

 

次回は3月31日第5火曜日、4月は28日第4火曜日でございます。

どうぞお気軽にお出かけ下さいませ。

 



2020年1月28日・第36回

梅が、一輪、また一輪とほころぶこの頃でございます。本年も宜しくお願い申し上げます。

 

令和2年の初稽古は、5人の生徒さんが参加され、2か月ぶりなので割り稽古をして頂きました。袱紗捌き、棗の拭き方、茶巾のたたみ方や茶盌の拭き方等おさらいし、順番に半東をしてお茶をお出ししました。

 

床は「閑座聴松風」前大徳寺老師、花・水仙、花入れ・真塗 筒。

水仙は、季節の約束事等ございますが、昔は、蕾を沢山つける事から子沢山にちなみ結婚式や、又水に因んだその名から新築祝いに飾られたといわれています。

菓子銘は「福寿草」赤門前扇屋製でした。

外は冷たい雨の一日でしたが、水仙の香りに春を感じました。

     

シビック庵はお茶のお点前をなさりたい方だけでなく、お茶のお話しをお聞きになりたい方、お茶とお菓子で一服なさりたい方等歓迎しております。

お茶の心を感じていただける教室になるよう願っております。

 

次回は2月25日第4火曜日、3月は31日第5火曜日でございます。

どうぞ、お気軽にお出かけ下さいませ。