<シビック庵>だより

シビック庵でのお稽古の様子をお伝えします。
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2021年4月

百花繚乱の春。一斉に花開き、例年より早く新緑に様代わりしてしまいました。

炉の名残りに、お客様をお招きしてお茶を差しあげました。

掛物は「弄花香満衣」。

―花を弄(ろう)すれば香り衣に満つ―

花に囲まれ触れていれば、衣類に芳香がしみ込む。よき友よき環境に親しめば、自ずとよき人になる、の意味でございます。香合・染付け、花・牡丹、花器・青磁、菓子・岩根つつじ 美鈴製。

 

今月は香合について、ふれてみたく存じます。

香合には、炉用と風炉用がございます。

炉には練り香を焚くため香合は焼き物を使い、風炉の時には香木をいれ木地(きじ)を使います。

炉の季節に木地を使うときは、練り香で中を汚さないよう、椿などの葉をちぎって香の下に敷いて使います。

 

炭点前の折、炭の上に香合を置き席中に持ち出しますが、大寄せの茶会などでは炭点前を省略することが多いので、床の間の掛物を中心に、上座に香合を置き下座に花を飾ります。

掛物、香合、花を飾る事を<諸飾り(もろかざり)>といいます。

香合は、その茶席のテーマや季節に合わせて選ぶことが多く、何を使うか席主のひそかな楽しみでございます。香合は直に置かず紙釜敷にのせます。

床の間全体の調和を考えながら、手持ちの中から、どの紙釜敷(例えば白や、白に金や銀が散った物、淡いクリームや若草色や水色等)を使うかも、席主のささやかな楽しみの一つでございます。

お稽古では床の間に香合を飾る事は、省略される事が多いようでございます。

 

思い起こせば昨年来、休講が続いております。

ワクチンに期待し、コロナ禍を切り抜け、一日も早く諸行事が再開出来ますよう願っております。

 


香合の写真の説明

 

*炉用<上段左~右へ>

1伊賀焼き・伽藍石、 2楽焼・鶏(註1)。

(註1)干支や亀や鳥や三宝や栗やその年の御勅題に合わせた物も使われます。

<中段>

3染付け。

<下段左~右>

4九谷焼き、5志戸呂焼き・編み笠。

 

*風炉用<上段左~右へ>

1竹・宝珠、2屋久島杉、3鎌倉彫・倶利(ぐり)。

<下段左~右へ>

4蒔絵・蔦(つた)、5松・結び文。   



2021年3月

三月になりますと一斉に木々が芽吹き、一雨ごとに草は繁り、春の息吹きを感じます。

うららかな日和の中、近くの山の上にある見晴らしのよいお寺で、野点を楽しみました。春風が心地よく桜の開花を促しているようでございます。

お寺の庭には、貝母の花が伸び伸びと咲いていました。

 

短冊は「柳緑花紅」、柳は緑、花は紅(くれない)。

八世石原惠香家元筆でございます。

花は諸喝采(しょかつさい)、お菓子は「さくらさくら」豊島屋製です。

 

季節の変わりめでございます。どうぞお体にご留意下さいませ。

 

 


<3月の花便り>

2021年3月7日

 

<上段左~右>へ

1. 土佐水木: 少し花が小ぶりな「伊予水木」や、もう少し小ぶりな「日向水木(ひゅうがみずき)」もある。

 

2. 雪 柳: 小さな白い花を2月~3月に咲かせる。新緑や紅葉も美しい。  

 

3. 山茱萸(さんしゅゆ): 鮮やかな黄色い小さな花をつける樹木。中国原産。

春の花は、2月の「万作」や「水木」類や「黒文字」など、黄色の花が多い。

 

<中段左~右>へ

4. 木瓜(ぼけ): 赤や白や薄いピンクの花や四季咲きなど色々な種類がある。とげがあるため、昔は茶席には使われなかったと聞く。

低木の草木瓜(くさぼけ)は日本原産。

 

5. 辛夷(こぶし): 中国原産の白蓮に比べて花が小ぶりで、早春に咲く。横向きの花が多く、花が開くと中が見える。白連は上を向いて咲くので、中が見えにくい。満開の様子は、鳥や蝶の群舞の様で美しい。

 

<下段左~右>へ

6. 蕗の薹(ふきのとう): フキの花。早春の黄緑色は美しい。

 

7. 侘 助(わびすけ): 椿の小ぶりな種類。可憐な花は茶人に好まれる。

白い「一休椿(いっきゅうつばき)」など種類が多い。

 

8. 福寿草: 2月におずおずと黄色い花をのぞかせ、だんだん葉がふさふさとなる。太陽があたると開き、曇りの日は花を閉じている。

その名からお正月に使わる事が多かったが、旧暦のお正月頃でないと庭では咲かない。


2020年4月から始まりました<花便り>も、今年3月で丁度1年になりますので、終了させて頂きます。

御協力頂きました方々にお礼申し上げます。



2021年2月

季節の変わりめ、節分を迎える頃となりました。

今年は鬼ではなくコロナ退治でしょうか。

皆様にはご健勝にて、お過ごしの事と拝察申し上げます。

 

閉塞感のある昨今、早咲きの梅の香りに誘われて、近くのお寺で野点の雰囲気を味わいました。

小高い斜面に、天に向かって勇ましくそそり立つ竹から、力強いパワーをいただく思いでございます。

 

お菓子は「豆まき」豊島屋製です。

皆様、どうぞご自愛くださいませ。

 


<2月の花便り>

2021年2月4日

 

<上段左~右>

1. 三椏(みつまた): 蕾が膨らんできました。少し早いですが春を感じて掲載しました。      

枝先が3つにわかれるのが特徴で、3月上旬ごろ、小さな黄色の花が寄り集まって咲きます。   

 

*楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)は、日本古来の紙の材料で、皮は、和紙やお札に使われます。

 

2. 紅梅: 八重は茶花には使いませんが、花の少ない時期、あまりにきれいなので掲載しました。

 

3. やぶ椿

 

<中段>

4. 霜柱(しもばしら): 厳密には花ではなく、日中とけてしまうので茶花には使えません。

秋に咲く霜柱(しもばしら)という、白い花が穂に咲く、しそ科の植物があります。

花が終わった後、茎を長めに残して切ると、冬の寒波の折、地中に残った根から吸い上げた水分が、寒さで凍って、霜柱が出来ます。珍しいので掲載しました。

 

5. ソシンロウバイ: 1月掲載の<ロウバイ>は、花の芯が赤紫でした。

ソシンロウバイは、園芸種で花弁が全部黄色一色です。

他に似た仲間に満月ロウバイがあり、こちらも花弁が黄色です。

 

6. 八つ手花笠;別名寒芍薬。洋種の「クリスマスローズ」の事です。白もあります。

お茶花の時は、「八つ手花笠」や「寒芍薬」と呼び変えて使います。

 

7. 満作: 「万作」とも書く。早春の早い時期に咲く事から「まず咲く」がなまって「万作」になったと言われます。

花が沢山咲くので、「豊年満作に通じるから」名付けられたという説もあります。

連翹(レンギョウ)、山茱萸(サンシュユ)など、春の花は黄色から始まります。



2021年1月

新年おめでとうございます。

皆様には恙無く新年をお迎えのことと、拝察申し上げます。

コロナ禍の中、生活様式も変わりましたが、伝統ある茶道も工夫をこらし、いそしみたいと思います。

 

炉の温もりと心持ち熱めの一盌のお茶で、一人茶会を楽しみました。

掛物は「鶴飛千尺雪」-鶴は飛ぶ千尺の雪-。

鶴は長寿の象徴であり雪の中で舞う姿は、新年の始まりを祝福しているように見えます。

香合は、干支に因んで丑を飾りました。丑は、先を急がず、着実に前に進み耐え発展すると言われています。

花は水仙一種、お菓子は「花びら餅」美鈴製。

 

今年はコロナに翻弄されず、安寧な日々を過ごせますよう願っております。


<1月の花便り>

2020年1月4日

<上段左~右>

1. キササゲ: マメ科。12月のシビック便りが休みの為1月に掲載。写真は11月末撮影。禅味ある姿は師走にふさわしい。

 

2. 椿

 

<上段一番右・上>

3. ロウバイ: 臘月に咲く梅。臘梅と書くが、蝋梅と書かれることもある。蝋のような花びらで良い香りがする。臘月とは中国の古い暦で12月の呼び方。

 

<上段一番右・真中>

4. 梅: 「歳寒(さいかん)の三友」とは、松、竹、梅または、梅、水仙、竹。

梅を兄に水仙を弟に、兄弟に例える事もある。

 

<下段左~右>

5. 松

 

6. 水仙: 別名「金盞銀台」。一重の水仙の花びらを銀台、濃い黄色の部分を金の杯(盞)に見たてている。

沢山蕾をつける為、子沢山に因んで昔は結婚式に、 又水に因んで火事を防ぐ意で、新築祝いにも飾られたという。雪の中でも咲くから「雪中花」。

季節の初めは花を葉より低くし、春(お正月や2月からの諸説あり)は葉より花を高くする事や袴の扱い等、出生に合わせた決まりがある。

 

7. 千両