<シビック庵>だより【2023年の記事】

シビック庵でのお稽古の様子をお伝えします。


2023年11月

 

 日中の小春日和が一変、夕方の風は冷たく冬の到来を実感します。

 

  11月に入り、今日はシビック庵の炉開きです。

  半年ぶりの炉のお稽古で、蓋置を置く場所は?清めた棗はどこに?と思い出しながら点前を進めます。割り稽古の受講生は炉のお点前を見るのは初めて

で、興味深そうに見入っていました。

 

  本日のお菓子は亥の子餅です。炉開きならではのお菓子を楽しみながら、口切りのお茶など11月はお茶席にとって大切な月であることを学びました。

 

  今年は今回が最後の講座になります。一年を通して開講することができ、新しいお仲間も増えました。

 

次回は新年1月23日(第4火曜日)です。

お健やかに良いお年をお迎えください。

 

広間

掛物: 開門落葉多

花 : 油菊、ズイナ(照葉)

 

小間

掛物: 松無古今色

花 : 嵯峨菊

 

菓子 亥の子餅 扇屋製



2023年10月

 爽やかな秋晴れの日が続きます。

つるべ落としの夕闇に浮かぶ「ヨメナ「芒」「秋の唐松草」等名残の花に、行く秋を感じるこの頃でございます。

 

  お点前をなさる方の所作に合わせて、お客様の受講生も自主的に帛紗をお出しになり熱心にお稽古なさいました。

  今月も体験の方が新しく入会下さいました。お稽古を始めた時がその時、お仕事帰りにお茶の心を感じて頂けたら嬉しゅうございます。

 

・広間

掛物;  和敬静寂

花;  芒、水引草、シャクチリソバ、野菊、 ヤブミョウガ実   

 

・小間

掛物;  慈恩

花;  ホトトギス、ドウダンツツジ(紅葉)

 

*ホトトギス(杜鵑草又は杜鵑)

花びらにある模様が、鳥のホトトギスの胸の斑紋に似ているので名付けられたそうです。

因みに英語で「Toad Lily」、模様をヒキガエルのイボに見立てて、名付けられたと言われます。



2023年9月

 月も替わりやっと秋を感じられる頃になりました。

長い夏の疲れを、虫の音や木立ちを揺らす涼しい風に、身も心も生き返る思いがいたします。

   受講生の皆様も、夜の一時を楽しみながら、お点前や割稽古に励んでいらっしゃいました。

お帰りになられる時の、晴々としたお顔が印象的でございました。

 

広間     

掛物  閑坐聴幽香(かんざしてゆうかを聴く)

「一切の妄念を捨て、静かに坐って自然の香りをきく」

 

花    段菊  萩  吾亦紅

菓子  虫の音   扇屋製

 

小間

掛物   清風萬里

花    ホトトギス   水引

 

10月は24日  11月は28日でございます。

お気軽にお出かけ下さいませ。



2023年8月

  日中はお暑いながらも夜半、虫の音が聞こえるこの頃でございます。8月は第5週のお稽古となりました。

  お点前なさる受講生は手順も慣れていらしたので、道具の扱いや所作を細かく学んでいただきました。 

  新しい方々は、帛紗やお棗の扱い等を割り稽古で学んでいただきました。お隣の方の所作をご覧になり、ご自分との違いを比べて楽しそうになさる姿に、私も入門した頃を思い出し懐かしゅうございました。

 

  お茶室の入り方、床の間の拝見や先生や先客とのご挨拶の仕方など、お茶やお菓子の頂き方も含めて、日常生活に生かせる事も多うございます。

楽しみながら身に着けていただけたらと願っております。

 

広間

掛物: 和敬静寂

花 : 藤豆、秋海棠、金水引

菓子: しゃぼん  豊島屋製

 

小間

掛物: 喫茶去

花 : 秋明菊

 

  9月は26日、10月は24日でございます。お気軽にお出かけ下さいませ。



2023年7月

梅雨が明け、例年にも増して猛暑が続きます。

 

日が落ちても暑い中、受講生は月に一度の講座を楽しみに来てくださっています。

今回も体験希望の方がお二人来られ、スタッフも毎回新鮮な気持ちになります。

初めて茶席を経験なさる方、久しぶりに茶席に来られた方、それぞれ楽しんでいただいたようで安堵しました。

 

昨年の夏はコロナ感染拡大で休講でした。最近は受講の申し込みも多数いただくようになり、コロナ前の講座の賑やかな雰囲気が戻ってきたようで大変うれしく思います。

 

次回講座は8月29日 第5火曜日、続いて9月26日 第4火曜日となります。

本格的な夏はこれからです。どうぞご自愛くださいませ

 

掛物

広間: 日日是好日

小間: 喫茶去

 

広間: 宗旦木槿

小間: 藪茗荷

 

菓子 笹  豊島屋製



2023年6月

例年になく蒸し暑い日が続いていますが、夜分になるといくらか凌ぎやすいこの頃でございます。

 

受講生の皆様もお勤め帰りに、お茶のお稽古に励んでいらっしゃいます。

先月入門なさった方は割り稽古を始め、体験のお二人方と共に受講生のお点前を拝見しながら、お茶とお菓子を楽しみました。

 

小間の「半夏生(ハンゲショウ)」が凛として涼しげでした。

半夏生は夏至から数えて11日目(今年は7月2日)から七夕までの5日間を言います。

「半夏生」は丁度その頃花が咲きます。

花の近くの葉がだんだん白くなる為、「三白草(サンパクソウ)」や「片白草」、「半化粧」ともいわれ、期間が終わると白い葉は緑に戻ります。

今年は例年より早く葉の部分が白くなりました。

 

掛物

広間:閑坐聴松風(かんざしてしょうふうをきく)

小間:今日是好日

 

広間:梅花甘茶、桔梗、弟切草(オトギリソウ)

小間:半夏生

 

菓子

四葩よひら(紫陽花)  豊島屋製

 

茶道を初めて習いたいという初心者の方から、お稽古を再開なさりたい経験者の方まで、お気軽にお越し下さいませ。



2023年5月

風薫る五月、目にしみいるような新緑のこの頃でございます。

お茶室の道具類の貸し出しも、コロナ以前に戻りました。引き続き三密やアルコール消毒に気を配りながらのお稽古を心がけたく存じます。 

 

受講生は広間と小間に分かれてお点前をしました。棗や茶杓の拝見迄進んだ方もいらっしゃり「足がしびれたので直します。」等、今回も和気あいあいとした雰囲気のお稽古でした。体験の方も、茶室の入り方、床の間拝見やお茶やお菓子の頂き方など、興味深そうに楽しんでいらっしゃいました。 

 

6月は27日、7月は25日、いずれも第4火曜でございます。どうぞお気軽にお出かけくださいませ。

 

掛物

広間: 大道透長安

小間: 喫茶去 

 

広間: 蛍袋、河原撫子、金糸梅

小間: 萱草(忘れ草)、山紫陽花 

 

菓子

唐衣(からころも) 豊島屋製 

 

らころも つつなれにし ましあれば るばるきぬる びをしぞおもふ」

―唐衣 来(着)つつ慣れにし つま(妻、褄)しあれば はるばる来ぬる 旅をしぞ思ふ―

 

お菓子の銘から在原業平「伊勢物語」の東下りに、話が弾みました。


2023年4月

木々の若葉が風にそよぐ心地よい季節になりました。

4月の講座は曇り空で少し肌寒く、炉の名残りの席にふさわしい日になりました。

 

受講生は4名、薄茶点前のお稽古です。

半年ぶりに見えた方は、帛紗さばき、茶巾のたたみ方、棗・茶杓の拭き方をさらいました。わずかな時間でブランクを感じさせない所作になり、頼もしく思いました。

また今回は、コロナ禍で控えていた菓子器を使い、隣の方へのご挨拶やお箸の使い方などお菓子のいただき方を学びました。

 

これから徐々にお茶のお稽古らしくなっていくことでしょう。

 

今後の講座は5月23日、6月27日です。

茶席は風炉になります。

 

掛物

広間: 閑座聴松風

小間: 喫茶去

 

広間: 三つ葉岩傘、丁字草

小間: 白花紫蘭

 

菓子

あやめ餅 豊島屋製



2023年3月

今年の春は足早に来て、一気に花が咲き百花繚乱の景色でございます。

お二人の体験の方を交え、受講生もご自服のお茶を楽しまれました。

 

掛物

広間: 和敬清寂

小間: 春水満四澤 −しゅんすいしたくにみつ −

(春の雪溶け 水が四方に 満ちている)

 

花       

小間: 貝母(ばいも)

広間: シャガ

 

菓子

桃の花 豊島屋製

 

次回のお稽古は、4月25日、5月23日でございます。

どうぞお気軽にお出かけ下さいませ。



2023年2月

春の足音が聞こえるこの頃でございます。

2月も会場の都合でお稽古日が第3週火曜日になりました。受講生数名お休みでしたが、三密を避け小間も使い、ゆったりとお稽古しました。

体験の方がお一方みえ、小学校から高校生迄茶道を学んでいらっしゃり、所作がきれいな方でした。

 

掛物

広間: 日々是好日

小間: 雪月花

 

花: 梅、藪椿

 

菓子: 鶯餅  豊島屋製

 

3月4月はお稽古日が第4週火曜日に戻り、3月28日、4月25日でございます。どうぞお気軽にお出かけ下さいませ。



2023年1月

年が改まり、今日がお稽古始めです。

2ヵ月ぶりの講座は、少々ぎごちなく手順を思い出しながらのお点前です。

今回は新しい所作も加わりました。お湯を汲むときの柄杓の扱い、四方庵の手指の動きを学びました。

首をかしげ繰り返し挑戦します。

可愛い干支のうさぎのお菓子に顔がほころび、座がなごみました。

 

今年は〝相手を思いやり 一服さしあげる〟

従来の茶道のお稽古ができることを切に願います。

 

掛物

広間:和敬清寂

小間:冬嶺秀孤松(とうれいこしょうひいず)

冬の酷寒にあって一本の松の木が青々とそびえている

 

花:ロウバイ、曙椿

菓子:うさぎ 豊島屋製