<シビック庵>だより【2021年の記事】

シビック庵でのお稽古の様子をお伝えします。


2021年11月

各地で紅葉便りの聞かれるこの頃でございます。

コロナ禍、シビックセンターでのお稽古は1年以上休講が続きました。

そこで、10月と11月は受講生の中の希望者に、鎌倉のお寺を借りてお稽古を致しました。

 

・掛物: 開門落葉多

・花: 磯菊  令法(りょうぶ)照り葉

・菓子: 紅葉  こまき製

 

掛物「開門落葉多」 -門を開けば落葉多し- は、大燈国師語録に出てくる禅語で、「聴雨寒更盡」 

-雨を聴いて寒更尽きー が前にあります。  

*寒更は、夜更けのうすら寒い様。

 

― (秋も深まり)うすら寒さに目覚めると、パラパラと屋根にあたる雨の音が聞こえてくる。

朝、門前に落ち葉がつもっている。昨夜、雨音かと思ったのは、木の葉が舞って屋根にあたる音だったのだろうか?秋の幽寂な風情と侘しさを、味わって楽しんでいる諸行無常の心 ―

 

炉の季節になりました。

利休は「いつ炉にしたら良いか?」と弟子に聞かれ、「柚子の色付く頃に」と答えたと言われます。

受講生2名の参加があり、お天気に恵まれ、蹲の使い方からお稽古致しました。

三密を避け、お茶盌や茶巾の使いまわし禁止等制約がありますが、受講生の楽しそうなご様子に励まされました。

 

12月は、例年休講です。

いよいよ来年1月25日(火曜)18時半~、シビックセンターの規則に従ってお稽古が再開されます。

コロナ第六波が来ない事を願っております。

皆様、どうぞ良いお年をお迎え下さいませ。



2021年10月

朝晩の秋冷もつかの間、一気に肌寒さを覚える日々でございます。皆様には如何お過ごしでいらっしいましょうか。

早くマスクなしで、戸外の空気を思いきり、吸い込みたくなります。このまま収束に向かうことを祈る思いでございます。

 

感染対策をとりながら、名残の風炉茶を遠方よりお越しの受講生と共に、記憶をたどりながらのお点前を楽しみました。

 

掛軸   平常心是道

「びょうどうしんこれどう」  坐禅して得た日常の当たり前のそのままの心が、仏道である。

 

香合   竹   宝珠

 

花    酔芙蓉

朝は白いのですが、午後になるとまるでお酒に酔っているよぅに、徐々に赤くなります。

 

菓子   秋の山   こまき製です。



2021年9月

芒が風に遊び、秋明菊も咲き出したこの頃でございます。

皆様いかがお過ごしでいらっしゃいますか?

今月は「蔦」の香合を飾りました。お菓子は「名月」豊島屋製です。

 

秋は、月が美しい季節です。

電気のない時代、夜は暗く、闇夜に浮かぶ月は、ひときわ美しい輝きだったのではないでしょうか?

平安貴族は、空を見上げるだけでなく水面に映る月を愛で、雅楽を奏で、杯の酒に写る月も楽しんだようです。

月の満ち欠けは、当時の人々にとって、神秘的でもあったのでしょう。

「新月」から始まり、「三日月」、「上弦の月」(弓張月)、「十三夜」、「十五夜」(満月)等、満ち欠けに合わせて美しい名前が付けられています。

 

「十五夜」の翌日が、「十六夜(いざよい)月」、翌々日は月の昇るのをちょっと立って待つから「立待月」、もう少し遅く昇るその次の日は、座って待つので「居待(いまち)月」、またその次は、なかなか昇らない月を寝ながら待つから「臥待月」(寝待月)と、機知に富んだ名前がついて、夜更けまで待ちやっと昇ってくる、「更待(ふけまち)月」と続きます。

月の昇るのが遅くなるほど月は欠け「下弦の月」、「鎌の月」となり、東の空に月が残ったまま明ける「有明の月」で、旧暦ひと月(約29日)をむかえます。

 

今年の十五夜は、9月21日です。

雨が降らずお月見が出来ますことを願っております。



2021年8月

蝉しぐれのこの頃、皆様いかがお過ごしでしょうか?

旧暦七夕も近く、星の美しい季節です。

 

床の間には、朝顔の掛け物をかけました。

8世石原恵香家元のお稽古の折、朝顔の色紙をかけて下さり「牽牛花(けんぎゅうか)とも呼ばれるのよ。」と教えて頂いた事が懐かしく思い出されます。

「星月夜」に見立てた香合。

平水指を使い、蓋置は「糸巻き」、牽牛に織姫様を妻せました。

菓子は「短冊」美鈴製。

 

七夕は、中国の乞巧奠(きっこうでん)、牽牛・織女の二星が天の川を渡って1年に1度の逢瀬(おうせ)を楽しむ、という伝説が、わが国の棚機(たなばた)姫の信仰と合わさった行事です。

当時は、水に星を映し、はた織りや針仕事や技芸が上達するよう願いを込めて梶の葉を飾り、芋の葉の上の朝露ですった墨で願いを書き、習字の上達を願いました。

梶の葉は表面に毛があり、文字が書けるそうです。昔夏の講習会で表装の講演者から、墨で文字を書いた梶の葉を見せて頂いた事がございます。

 

悠久の時に思いをはせ、コロナで逝去された方々のご冥福と、一日も早い終息を祈りました。

時節柄、皆様どうぞご自愛下さいませ。



2021年7月

暑中お見舞い申し上げます。

オリンピックの開会式前に試合も始まり、コロナ禍や猛暑にもめげず奮闘する選手の方々に、エールを送りたいと思います。

 

連日のお暑さの中、お茶席に涼を感じていただけるように設えました。

掛物は「杓底一残水」(しゃくてい いちざんすい)

―どんなものも大切に扱う心のたいせつさ。お湯や水を汲む柄杓の底に残ったわずかな水も、捨てしまわず川に流すー

 

松「結び文」香合。

花は、桔梗、秋海棠、矢羽薄、木槿、水引、シラサギカヤツリ、女郎花を宗全籠に。

女郎花は「利休禁花」(註1)の一つですが、最近は茶会でも使われることが多くみられます。

 

お茶盌は、平茶盌  「刷け目」。

「夏は涼しく、冬は暖かに」との利休七則(りきゅうしちそく註2)の教えに従い、季節の工夫が色々あり、平水指、葉蓋(註3)の水指、絞りかけ茶巾や平茶盌等も、夏のおもてなしの一つです。

お菓子は「玉川」 美鈴製です。

 

猛暑が続きますので、皆様お体ご自愛下さいませ。

 

註1「利休禁花」: 2020年11月シビック便りの「11月花便り」に説明があります。

 

註2「利休七則」: 利休がある日弟子の一人から質問された時に、答えた言葉と言われます。

1. 茶は服の良きように点て、2. 炭は湯の沸くように置き、3. 花は野にあるように生け、4. 夏は涼しく冬暖かに、5. 刻限は早めに、6. 降らずとも傘の用意、7. 相客にこころせよ。

 

註3「葉蓋」: 細めの水指に、蓋の代わりに濡らした葉を使用。濡れた葉の上を転がる水滴等に涼を感じる薄茶の

「草」のお点前。毒が有る葉や悪臭が有る葉は使いません。梶の葉は七夕に由来する事にもよります。

 

註4「絞りがけ茶巾」: 茶巾を濡らして茶盌に組み、お点前の中で水を絞り、涼を感じて頂ける工夫の一つです。



2021年6月

梅雨時に濡れて、変幻にきらめいて咲く、紫陽花が目を楽しませてくれます。

オリンピックも間近なり、人流も増しているようでございます。

皆様には如何お過ごしでいらっしゃいましょうか。                             

 

今月は、初夏の設えを楽しみました。

掛物は「閑座聴幽香」 ―かんざして、ゆう かをきく―

一切の雑念を捨て、静かに座って、奧ゆかしい香りを聞く。

 

香合は乾漆、花は宗全籠に、矢羽薄、蛍袋、金糸梅、桔梗、下野、半夏生、山紫陽花をいれました。

お菓子は「紫陽花」、こまき製です。

 

皆様には、一日も早くワクチン接種を済まされ、平穏な日々が早く戻りますよう、お祈り申し上げます。     

 



2021年5月

新緑も一層鮮やかさを増し、心が洗わる思いがいたします。

皆様には恙なくお過ごしの事と、拝察申し上げます。

今月より風炉の設えに変わり、気持ちも新たに初夏を楽しみました。

 

掛物は、「萬壑松風供一啜」(ばんがくのしょうふう いっとつに きょうす)

―天地にみなぎる松風の音を聴き、自然と一体となりお茶を喫するー

香合は約100年前のお寺の古材でございます。

花は、手付き籠に、令法(りょうぶ)、紫蘭、淡い薄紫の都忘れをいれました。

お菓子は「菖蒲」豊島屋製です。


今月は水指についてふれてみたく存じます。大きく「真」「行」「草」の3種類に分けられます。

 

・「真」

唐金(からかね)、青磁、染付、祥瑞(しょんずい)など、主に中国渡来の物です。参考写真(1)と(2)

 

<写真上段左~右>

(1) 祥瑞(しょんずい)。祥瑞は中国景徳鎮でつくられた染め付の一種で、陶器の染め付けでは最上のものです。

(2) 青磁。写真は、斑点の模様があるので「飛青磁」といいます。

青磁は、中国漢末頃からつくられたそうです。写真の水指は共蓋です。

 

・「行」

その後、国焼きの瀬戸、高取、志戸呂(写真③)唐津等が生まれました。

日本で焼かれた物で、陶工を朝鮮から呼んで各大名が焼かせたものや、絵付けや釉薬等の違いにより、「真」や「行」になります。

 

<写真下段左>

(3) 志戸呂焼きー静岡の焼き物で、遠州七窯の一つです。

 

・「草」

南蛮、無釉陶(伊賀・信楽・備前・常滑・種子島等)等。

 

<写真下段右>

(4)「種子島」焼締めの無釉陶器です。

事前にどっぷり水につけた、釉薬のかかっていない備前焼などの共蓋の水指で絞りがけのお点前をする事も、お客様に涼を感じて頂ける楽しいおもてなしの一つです。

他に、漆などの手桶や木地の水指もございます。真塗の物は「真」、木地の物は「草」の部類でしょうか。

 

以上、水指の簡単な説明をさせて頂きました。形については、また後日機会がございましたら触れたく存じます。

コロナ禍の折、早いワクチンの接種によって不安のない日常が過ごせますよう願っております。

 



2021年4月

百花繚乱の春。一斉に花開き、例年より早く新緑に様代わりしてしまいました。

炉の名残りに、お客様をお招きしてお茶を差しあげました。

掛物は「弄花香満衣」。

―花を弄(ろう)すれば香り衣に満つ―

花に囲まれ触れていれば、衣類に芳香がしみ込む。よき友よき環境に親しめば、自ずとよき人になる、の意味でございます。香合・染付け、花・牡丹、花器・青磁、菓子・岩根つつじ 美鈴製。

 

今月は香合について、ふれてみたく存じます。

香合には、炉用と風炉用がございます。

炉には練り香を焚くため香合は焼き物を使い、風炉の時には香木をいれ木地(きじ)を使います。

炉の季節に木地を使うときは、練り香で中を汚さないよう、椿などの葉をちぎって香の下に敷いて使います。

 

炭点前の折、炭の上に香合を置き席中に持ち出しますが、大寄せの茶会などでは炭点前を省略することが多いので、床の間の掛物を中心に、上座に香合を置き下座に花を飾ります。

掛物、香合、花を飾る事を<諸飾り(もろかざり)>といいます。

香合は、その茶席のテーマや季節に合わせて選ぶことが多く、何を使うか席主のひそかな楽しみでございます。香合は直に置かず紙釜敷にのせます。

床の間全体の調和を考えながら、手持ちの中から、どの紙釜敷(例えば白や、白に金や銀が散った物、淡いクリームや若草色や水色等)を使うかも、席主のささやかな楽しみの一つでございます。

お稽古では床の間に香合を飾る事は、省略される事が多いようでございます。

 

思い起こせば昨年来、休講が続いております。

ワクチンに期待し、コロナ禍を切り抜け、一日も早く諸行事が再開出来ますよう願っております。

 


香合の写真の説明

 

*炉用<上段左~右へ>

1伊賀焼き・伽藍石、 2楽焼・鶏(註1)。

(註1)干支や亀や鳥や三宝や栗やその年の御勅題に合わせた物も使われます。

<中段>

3染付け。

<下段左~右>

4九谷焼き、5志戸呂焼き・編み笠。

 

*風炉用<上段左~右へ>

1竹・宝珠、2屋久島杉、3鎌倉彫・倶利(ぐり)。

<下段左~右へ>

4蒔絵・蔦(つた)、5松・結び文。   



2021年3月

三月になりますと一斉に木々が芽吹き、一雨ごとに草は繁り、春の息吹きを感じます。

うららかな日和の中、近くの山の上にある見晴らしのよいお寺で、野点を楽しみました。春風が心地よく桜の開花を促しているようでございます。

お寺の庭には、貝母の花が伸び伸びと咲いていました。

 

短冊は「柳緑花紅」、柳は緑、花は紅(くれない)。

八世石原惠香家元筆でございます。

花は諸喝采(しょかつさい)、お菓子は「さくらさくら」豊島屋製です。

 

季節の変わりめでございます。どうぞお体にご留意下さいませ。

 

 


<3月の花便り>

2021年3月7日

 

<上段左~右>へ

1. 土佐水木: 少し花が小ぶりな「伊予水木」や、もう少し小ぶりな「日向水木(ひゅうがみずき)」もある。

 

2. 雪 柳: 小さな白い花を2月~3月に咲かせる。新緑や紅葉も美しい。  

 

3. 山茱萸(さんしゅゆ): 鮮やかな黄色い小さな花をつける樹木。中国原産。

春の花は、2月の「万作」や「水木」類や「黒文字」など、黄色の花が多い。

 

<中段左~右>へ

4. 木瓜(ぼけ): 赤や白や薄いピンクの花や四季咲きなど色々な種類がある。とげがあるため、昔は茶席には使われなかったと聞く。

低木の草木瓜(くさぼけ)は日本原産。

 

5. 辛夷(こぶし): 中国原産の白蓮に比べて花が小ぶりで、早春に咲く。横向きの花が多く、花が開くと中が見える。白連は上を向いて咲くので、中が見えにくい。満開の様子は、鳥や蝶の群舞の様で美しい。

 

<下段左~右>へ

6. 蕗の薹(ふきのとう): フキの花。早春の黄緑色は美しい。

 

7. 侘 助(わびすけ): 椿の小ぶりな種類。可憐な花は茶人に好まれる。

白い「一休椿(いっきゅうつばき)」など種類が多い。

 

8. 福寿草: 2月におずおずと黄色い花をのぞかせ、だんだん葉がふさふさとなる。太陽があたると開き、曇りの日は花を閉じている。

その名からお正月に使わる事が多かったが、旧暦のお正月頃でないと庭では咲かない。


2020年4月から始まりました<花便り>も、今年3月で丁度1年になりますので、終了させて頂きます。

御協力頂きました方々にお礼申し上げます。



2021年2月

季節の変わりめ、節分を迎える頃となりました。

今年は鬼ではなくコロナ退治でしょうか。

皆様にはご健勝にて、お過ごしの事と拝察申し上げます。

 

閉塞感のある昨今、早咲きの梅の香りに誘われて、近くのお寺で野点の雰囲気を味わいました。

小高い斜面に、天に向かって勇ましくそそり立つ竹から、力強いパワーをいただく思いでございます。

 

お菓子は「豆まき」豊島屋製です。

皆様、どうぞご自愛くださいませ。

 


<2月の花便り>

2021年2月4日

 

<上段左~右>

1. 三椏(みつまた): 蕾が膨らんできました。少し早いですが春を感じて掲載しました。      

枝先が3つにわかれるのが特徴で、3月上旬ごろ、小さな黄色の花が寄り集まって咲きます。   

 

*楮(こうぞ)、三椏(みつまた)、雁皮(がんぴ)は、日本古来の紙の材料で、皮は、和紙やお札に使われます。

 

2. 紅梅: 八重は茶花には使いませんが、花の少ない時期、あまりにきれいなので掲載しました。

 

3. やぶ椿

 

<中段>

4. 霜柱(しもばしら): 厳密には花ではなく、日中とけてしまうので茶花には使えません。

秋に咲く霜柱(しもばしら)という、白い花が穂に咲く、しそ科の植物があります。

花が終わった後、茎を長めに残して切ると、冬の寒波の折、地中に残った根から吸い上げた水分が、寒さで凍って、霜柱が出来ます。珍しいので掲載しました。

 

5. ソシンロウバイ: 1月掲載の<ロウバイ>は、花の芯が赤紫でした。

ソシンロウバイは、園芸種で花弁が全部黄色一色です。

他に似た仲間に満月ロウバイがあり、こちらも花弁が黄色です。

 

6. 八つ手花笠;別名寒芍薬。洋種の「クリスマスローズ」の事です。白もあります。

お茶花の時は、「八つ手花笠」や「寒芍薬」と呼び変えて使います。

 

7. 満作: 「万作」とも書く。早春の早い時期に咲く事から「まず咲く」がなまって「万作」になったと言われます。

花が沢山咲くので、「豊年満作に通じるから」名付けられたという説もあります。

連翹(レンギョウ)、山茱萸(サンシュユ)など、春の花は黄色から始まります。



2021年1月

新年おめでとうございます。

皆様には恙無く新年をお迎えのことと、拝察申し上げます。

コロナ禍の中、生活様式も変わりましたが、伝統ある茶道も工夫をこらし、いそしみたいと思います。

 

炉の温もりと心持ち熱めの一盌のお茶で、一人茶会を楽しみました。

掛物は「鶴飛千尺雪」-鶴は飛ぶ千尺の雪-。

鶴は長寿の象徴であり雪の中で舞う姿は、新年の始まりを祝福しているように見えます。

香合は、干支に因んで丑を飾りました。丑は、先を急がず、着実に前に進み耐え発展すると言われています。

花は水仙一種、お菓子は「花びら餅」美鈴製。

 

今年はコロナに翻弄されず、安寧な日々を過ごせますよう願っております。


<1月の花便り>

2021年1月4日

<上段左~右>

1. キササゲ: マメ科。12月のシビック便りが休みの為1月に掲載。写真は11月末撮影。禅味ある姿は師走にふさわしい。

 

2. 椿

 

<上段一番右・上>

3. ロウバイ: 臘月に咲く梅。臘梅と書くが、蝋梅と書かれることもある。蝋のような花びらで良い香りがする。臘月とは中国の古い暦で12月の呼び方。

 

<上段一番右・真中>

4. 梅: 「歳寒(さいかん)の三友」とは、松、竹、梅または、梅、水仙、竹。

梅を兄に水仙を弟に、兄弟に例える事もある。

 

<下段左~右>

5. 松

 

6. 水仙: 別名「金盞銀台」。一重の水仙の花びらを銀台、濃い黄色の部分を金の杯(盞)に見たてている。

沢山蕾をつける為、子沢山に因んで昔は結婚式に、 又水に因んで火事を防ぐ意で、新築祝いにも飾られたという。雪の中でも咲くから「雪中花」。

季節の初めは花を葉より低くし、春(お正月や2月からの諸説あり)は葉より花を高くする事や袴の扱い等、出生に合わせた決まりがある。

 

7. 千両