シビック庵でのお稽古の様子をお伝えします。
はや11月、炉の季節となりました。喧騒から離れて、静かに秋を感じる季節です。
5月に茶摘みされ和紙で封印され茶壺に入れられた新茶は、この頃熟成され味わいを増します。「口切りの茶事」で封を切る為、11月はお茶にとっては新年より大切な月となります。
現代では11月に入ると炉を開けますが、昔は火に強いと言われる猪、すなわち神無月の最初の亥の日に、炉を開けたと言われます。その名残が亥の子餅を食べる習慣に繋がります。
旧暦神無月ですから、現代の暦では11月末位ですが、利休は炉開きの時期を弟子から聞かれた時「柚子の色づく頃に」と答えたそうです。
暖房器具もない昔は、火をお客様の近くにする事は、一番のもてなしだったのではないでしょうか?
炉開きは、名残の季節とは趣向を変え、部屋のしつらえも改まった道具で組み、蹲の竹は青竹に変えます。練り香を使うため香合も焼き物になります。
12月は<シビック便り>はお休みです。
皆様、お寒さに向かいますので、お体ご自愛下さいませ。
<11月花便り>
<上段左~右>
1. 美男蔓: 別名「さねかずら」。切り口から出るぬめりある汁は、昔整髪料として使われ、江戸時代髷をゆう時に使った事から「美男蔓」と呼ぶ。
2. 浜菊: 海岸に自生する。
3. 藤豆: 藤の花の実。「じまめ」と呼ぶ。
<中段左~右>
4. 令法(りょうぶ): 初夏に白い花をつける低木の紅葉。
5. 大文字草: 花弁の下の2枚が長く「大」という字。本来は白。ピンクは園芸種。
6. 磯菊: 海岸に自生。
<下段左~右>
7. 茶の木: 葉を茶にする。重なりを嫌う為、茶花には使わない。同様に山茶花も茶花には使わない。山茶花は花弁が散るから使わない説もある。
8. ツワブキ: 黄色が目立つ為あまり茶室には使わないが、花の少ない時期に色の出る前の蕾に小さな葉を添えて使うこともある。
9. 鳥兜: 花の形が兜に似ている。根が猛毒の為茶花には使わない。茎や葉も毒の説もある。
*南方録に利休禁花があります。「花入れに、入れざる花は、沈丁花、深山しきみに、鶏頭の花、女郎花、柘榴、河骨、金盞、せんれい花を嫌い事すれ」
匂いの強い花(茶席は香を焚くので)や、名前の悪い花、毒々しい花を避けるようにと書いて有りますが、利休は「これ初心者の為なり」とも言っています。
例えば、山茶花は一般には茶席に使いませんが、お招きした方や席主との由来があれば、その限りではない、すべて茶の心にかなうよう臨機応変という事のようです。
暑い夏のほてりもすっかり収まり、ふと見上げた青空に漂う鰯雲を見ますと、やっと秋が来たことを実感致します。
梅や桜の葉が赤く染まり、まるで衣を脱ぐかのようにはらはらと落葉する樣に、「今年も綺麗な花をありがとう」とねぎらう気持ちになります。
昔、秋の夜長など勉学に励む際に机の上を照らす為、火皿に油をついで火をともしました。<夜学>の蓋置は、その火皿をのせていた台を、利休が蓋置に見立てたと言われます。四方に火灯窓のような大小の透かしが有る、利休が好んだ形の蓋置の一種です。
<三閑人>の蓋置は、<三人形>(みつにんぎょう)とも呼ばれ、<夜学>と同じく中国の文具を、利休が蓋置に見立てたと言われます。
三人の唐子が背中合わせに手をつなぎあった形のもので、一人だけ違う格好をした人を正面につかいます。
<芋の子>を染め付けた蓋置です。宗徧は、芋の子を好んだと言われます。
大ぶりの竹の蓋置は流祖作です。宗徧は、小刀の名人と言われました。
来月は、はや炉開きになります。
皆様には夏のお疲れが出ませんようご自愛下さいませ。
<10月花便り>
<上段左~右>へ
1. 吾亦紅(われもこう)
2. 紫式部: 白式部もある。
<中段左~右>へ
3. 野菊
4. 段菊: 花が茎の段々に咲く。
5. ホトトギス: 花の模様がホトトギスの羽の模様に似ているので名付けられた。(写真のホトトギスは改良種で模様があまりない)
<下段左~右>へ
6. ホシクサ
7. シャクチリソバ
高い木から聞こえてきた蝉の鳴き声もいつしか消え、すだく虫の声が足元から聞こえてまいりました。
涼やかな秋風も、暑かった夏の疲れを癒してくれているようです。
皆様にはお障りなく、お過ごしていらっしゃいましょうか?
茶室も秋のしつらえに変わる時、茶道具の虫たちが活躍します。
今月は床に鈴虫の香合を飾りました。
鈴虫がススキ等の茂みや暗い下草の中で鳴く、そのリーンリーンという声はとても心地よく、思わず目を閉じて耳を傾けてしまいます。
季節の進みを知らせてくれているようです。
いにしえの人々も、この声を傍に秋の夜長を過ごしていたのでしょうか?
シビック庵は休講が続いて、皆様にはお目にかかれませんが、リーンリーンと、共に豊かな秋をお過ごし下さいますよう願っております。
<シビック庵9月花便り>
<上段左>
1. 秋明菊: 別名貴舟菊。白もある。
<上段右上~右下>
2. 秋海棠: 春に咲く樹木の海棠に似た花が咲く事から名付けられた。
3. 狸豆
<下段左>
4. 酔芙蓉: 朝は白、昼頃薄いピンク、夕方赤って萎む一日花。昼頃撮影。
<下段右上~右下>
5. 水引: 紅白あり、白い水引を銀水引と呼ぶ。水引とは違う種類だが金水引もある。
6. 江戸絞り萩
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お暑さ厳しいこの頃、皆様、いかがお過ごしでいらっしゃいますか?
8月も、シビック庵は休講になり、久しぶりに自宅で釜をかけてみました。
床には「瀧直下三千丈」(瀧が真っ直ぐ落ちる事三千丈)、外は猛暑でございましたが、部屋の中には、涼風が吹き抜けるように感じました。
主菓子は、銘「若鮎」美鈴製でございます。
鮎が川を遡りながら、石についた藻類を食べるイメージの御菓子で、練り切りと錦玉の二層仕立てになっています。川を泳ぐ姿は涼しげな風情ですね。
干菓子は、色とりどりの冷たさを感じる錦玉糖ですが、甘さ控えめで、口当たりも楽しめます。銘は「ダイヤ糖」豊島屋製です。
涼しさを感じて頂けるよう、銀の打ち出しにのせてみました。
時節柄、皆様どうぞ、お体ご自愛下さいませ。
今月のお花
<上段左~右>
1. 烏瓜: 18時頃撮影。夜中にレースの部分が見事に開き、朝しぼむ一日花。
2. ミソハギ
<中段左~右へ>
3. やぶ茗荷: 秋に出来る黒い実も茶花に使用。
4. 女郎花(おみなえし): 秋の七草の一つ
<下段左~右へ>
5. 高砂百合
6. 源平釣舟草
7. 沢虎の尾
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皆様ご機嫌よろしゅうございます。
豪雨で被災された方々にお見舞い申し上げます。豪雨とコロナ対策で避難所は大変な気遣いかとお察し申し上げます。早く心穏やかな日々が参りますことを願っております。
暑くなり、花の水揚げの悪い季節でございますので、少し触れてみたく思います。
花を切る時は、朝夕の涼しい時間に切り、風に当てないように持ち帰り、「深水」(註1)につけてから「水切り」(註2)なさると安心です。ご自宅の花なら「水切り」だけでも構いませんが、水揚げ悪いものは、横に水を入れた容器を置き、切ると同時に水に入れ、空気に触れる時間を短くなさると、より安心です。この時、よく切れる鋏や小刀なら、茎の導管をつぶさず水揚げが良くなります。
(註1): 切り口から2/3位まで新聞紙に包みどっぷりと2~3時間、涼しい部屋で水につける事。葉や茎からも水を吸い上げます。
(註2): ボール等に水を張り、水中で茎を2~3回切ると浸透圧で水を吸い上げ、切り口から空気中の細菌が入らず、気泡も出来ないため長持ちします。
ご自宅の花なら、早朝又は夕方に切る事で、後はほとんど「水切り」で対応できると思います。水切り後、切り口に「割り」(註3)を入れると、水に触れる面積が増え、水揚げが良くなります。
切り口も、斜めに切ると、水に接する部分が増えるので安心です。
(註3): 茎の真ん中くらいに逆側から鋏をあて、鋏先1cm位切れ目をいれる事。
水揚げ方法も、切り口を焼いたり、たたいたり、酢につけたり塩や薬品をすり込んだり、蜜を吸わせたり、お酒を飲ませたり煙草等、花も甘党辛党、喫煙家など色々いますが、生け花と違い、薬品などで花器を傷めない心遣いが必要かと存じます。
花屋さんで求めた花は、上記水揚げをしてありますので、お求め後、風に当てないよう持ち帰り、帰宅後「深水」につけてから「水切り」で対応できるかと存じます。
花の種類によって(牡丹や升麻など)、茎の先をバーナーで焼いて炭素化して水揚げを良くしています。ご自分でなさる時は、脇に氷水を用意なさり、焼いた後、冷やして下さい。根元を濡れた新聞紙で巻いて焼くと、葉や茎を痛めませんが、燃え移らないよう注意が必要です。
茎から白い汁が出る花も水揚げが悪いので、お湯につけて、軽く振って詰まった汁を溶かした後、冷やします。
樹木でも水が下がり易い花があります。根元の皮を鋏の葉先や小刀で剥くと、水に接する部分が増えて水揚げが良くなります。割りを入れると安心です。
紫陽花も水揚げが悪い花の代表です。朝夕の涼しい時に切り、皮を剥いたり切り口を割った後、中の白い部分を鋏の先で掻きだします。葉からも水分が蒸発しますので、余分な葉は取りさります。
以上、気が付いたことをまとめました。次回、お茶室からの報告が出来ます事を、願っております。
お暑さに向かいますので、皆様どうぞご自愛くださいませ。
今月のお花
<上段左~右>へ
1. 露草: 一日花。露草の花びらの汁は友禅染などの下絵を書く時に使う。
汁が、水にさらすと消え、友禅染だけ残り大変重宝する。
・上段真ん中
2. 矢筈薄: 葉の白い模様が、矢の末端の弓の弦を受ける部分の矢筈に似ているから。
葉の模様が鷹の羽に似ているので、別名「鷹の羽(たかのは)薄」。
薄は、芒とも書き、別名「尾花」とも言い秋の七草。
・薄の足元に絡みついているピンクの花
3. もじずり: 別名「ネジバナ」。芝生等にねじれて咲いている可憐な蘭。
百人一首の中で「陸奥(みちのく)の、しのぶもぢずり、誰ゆゑに、乱れそめにし、我ならなくに」(古今集・源融)と詠まれている。
*「陸奥の信夫(しのぶ。今の福島)で織られる、もぢずりの摺(す)り衣のように、乱れる私の心は誰のせいでしょう」、万葉集や芭蕉の句にもよまれている。
4. シラサギカヤツリ: 別名「シラサギスゲ」アメリカ原産。
<中段左~右>へ
5. 岩南天
6. 槿(むくげ): 一日花としてのはかなさを茶人が好む。白や藤色など色々な種類がある。
とりわけ、白で底が紅の種類(底紅)の槿は、宗旦が好んだといわれ「宗旦槿」
と呼ぶ。毎日元気に咲く繁栄の花と言う事から、韓国の国花。
<下段左~右>へ
7. 雁金草: 花が雁に似ている。独特の臭気がある。
8. 半夏生: 別名「半化粧」。半夏生の日の前後ひと月だけ葉が白くお化粧したようになり、又緑に戻る。
半夏生(はんげしょう)は七十二候の一つで、夏至から数えて11日目の農業に大切な日で2020年は7月2日。
この日までに田植えを終えないと豊作にならないと言われる。少し臭気がある。
9. ギボウシ: 東北地方では緑の葉のギボウシを<うるい>と呼び、葉を春の山菜として食用にする。少しぬめりがあるがおいしい。縁が白い葉等色々な種類がある。
名前の由来は、花の形が橋の欄干の擬宝珠に似ているからといわれる。
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緑の葉蔭も色濃くなってまいりました。ご機嫌よろしゅうございます。6月もシビック庵は、休講になります。
人の世の騒ぎをよそに、花は次々と咲いていきます。夏草も色々出てまいりましたので、今回は写真を多くしてみました。
茶室は総合美と申し道具組にも気を遣いますが、全体のバランスを考えながら手持ちの道具類で組み合わせを考えるのも、又楽しみでございます。
季節の道具類でしつらえた空間に花が入る時、部屋に命が宿るのを感じます。一般に、花は下座に飾ります。
たとえば<諸飾り(もろかざり)>では、真ん中の掛け軸を挟んで、上座に香合を下座に花を飾ります。
下座は柱付(柱があるほう)ですが、部屋によってはわかりにくい事もあり、床の間の陽の光が入る方を上座、水屋が有る方を下座と考えると、わかり易いと思います。
これは、香合が花より格が上の故もありますが、下座に花を飾る事で正客から花がみえ易く、又、陽の入る方に花を置くと、掛け軸に花の影が映るのを避ける為でもあります。
以前、師に「見ごろ寛容という言葉もあり、一概に決められないのよ」と教えて頂き、奥の深い事、一生勉強と思いました。
茶の道を学ぶ事は堅苦しいものではなく「重いものは軽く見えるように扱い、軽いものは重く見えるように...、暑い時には涼しく、寒い時は暖かに...」等、利休の教えは、現代のおもてなしの心にも通じます。
当流は、歩き方も「畳一畳を五歩、六歩」と、一律に何歩と決めるのでなくその方に合わせて自然なので、無理なく親しめると思います。
教室再開のあかつきには、入口に消毒薬、茶巾は各自、取り回しを避け御菓子も銘々皿になど、三密を避けたコロナ対策をこうじながら、皆様と<茶の心>を一緒に学んでいきたいと考えております。
コラージュ1
<上段か左から右>へ
1. 山紫陽花(やまあじさい)
2. 金糸梅(きんしばい)
3. 山吹升麻(やまぶきしょうま);葉が山吹の葉に似ている。
<中段左から右>へ
4. 令法(りょうぶ);秋に紅葉した葉も使います。
5. 山法師(やまぼうし)
6. 蛍袋(ほたるぶくろ);子供が蛍を入れ遊んだという。
<下段左から右>へ
7. 京鹿の子;後ろのオレンジの百合のような花は、姫萱草(ひめかんぞう)(註 1)
8. 美央柳(びおうやなぎ・びょうやなぎ);別名美女柳
9. 岩煙草(いわたばこ);葉が煙草の葉に似ているので名付けられたそうです。
(註1)
萱 草;別名忘れ草とも言い、悲しみを忘れる為身につけたことから、王朝人は喪の襲(かさね)として、萱草色の袴を身につけたようです。当時、亡くなった方の親しさに応じ鈍色(にびいろ、墨色)の濃淡を身につけたようで、「源氏物語」の中にも源氏の正妻葵の上の喪に服す時、仕えた女房たちが墨色の上に、萱草色の袴を重ねた場面が描かれています。
コラージュ2
<上段左から右>へ
10. 下野草(しもつけそう)
11. 下野(しもつけ);京鹿の子や下野草と似ていますが、前者は草、下野は低木です。
<真ん中>
12. 泰山木(たいさんぼく)
<下段左から右>へ
13. アカゲラ:子育て中
14. 定家蔓(ていかかずら);可憐な花は猛毒。
近くの塀に群生しており香りも良く見惚れておりました。数年前、能「定家」(*2)をみて、名前の由来を知ってから花を見る度に複雑な思いにかられます。
(註 2)
藤原定家の元住まいに雨宿りした僧の前に、定家の思い人、式子内親王の霊が現れ、墓前に案内される。経緯を聞き僧が読経すると、恋人への思いで墓に絡みついた蔓と墓はかき消え、女性は成仏する。その後、いつともなく再び蔓が生え、後年、この蔓は<定家蔓>と呼ばれたという。
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新緑の美しいこの頃でございます。
このたびのコロナウィルスに罹患された方、生活に影響を受けられた方々に、心からお見舞い申し上げます。
風炉の季節を迎えました。
今月もシビック庵は、休講になります。本来なら、清々しい風がお席に満ちる季節でございますが、「薫風自南来」、心清らかな茶境を心がけたく存じます。
茶花は、一種二種と申しますが、風炉の季節は、色々寄せて良い事になっており、草物がいろいろ出てくる季節なので自然に従って、と聞いた事がございます。
籠も使うことが出来、涼を添えます。
利休七則に「花は野にあるように」との言葉があり、昔から「花は足でいけよ」と言われます。自分で探せば、その植物の本来育っている姿がわかります。
植物の出生(しゅっしょう)をよく見て、野に咲く自然から与えられた、あるがままの姿を映したお席を心がけたいと思います。
都会におりますと、公園や道端で花を摘むこともままならず、花屋さんは江戸時代に出来たと言われておりますが、利休居士は今の世なら、何と仰るでしょうか?
山に、卯の花が咲きだしました。
「卯の花の匂う垣根に…♪」と、小学唱歌にも歌われましたが、卯の花和え、卯の花腐し(うのはなくたし、卯の花の咲くころ降る長雨)、卯の花襲等、植物の名が使われることが多いのは、日本には四季があり植物が身近だったからなのでしょう。
1月に黄色から始まり、桃色と進んできた花の色も、白、青、紫と涼しげな色になって参りました。自然は、時を運んでくれます。
一日も早い収束を、願っております。
*淡いピンクの谷空木(たにうつぎ)。
*おからの様に細かな白い5花弁と、黄色い雄蕊の卯の花(別名: 空木)。
『枕草子』の中に、時鳥の声を聞きに郊外へ出かけた清少納言達が、途中民家の垣根の卯の花がきれいなので、手折って、長い枝を牛車の屋根や脇などに挿したら、「卯の花の垣根を牛が引いているようだった」と楽しそうな記述があります。
新型コロナウイルス蔓延の為、会場が閉館となり、今月もシビック庵は休講となりました。胸痛むニュースが伝えられ、政府からの外出自粛要請もあり、春とはいえ心沈む日々でございますが、可憐に咲く花に慰められます。
今年は春が早いためか、例年より花達が次々に色とりどりに咲き、春を謳歌しています。多くの人々の目にとまる花も、道端に人知れず咲く花も、「花紅柳緑」、一瞬一瞬を力いっぱい生きている、あるがままのその姿に、限りない生命の息吹を感じるこの頃でございます。
一日も早い新型コロナウイルスの終焉と、皆様のご健康を心からお祈り申し上げております。
*白い丸い花弁(のようにみえる苞)はイチリンソウ。
*白いとがった花弁を船の碇(錨)に見立てた碇草(いかりそう)。
*山芍薬は深山の樹木の足元に清らかに咲く花。白い花弁に黄色い雄蕊に奥にほんのり赤がのぞき、秋には柘榴のようにはじけた実が黒と赤で美しく、花も実も茶花に使われます。
*濃いピンク色の海棠は、桜に続いて咲く樹木。中国原産でうつむきがちな蕾は美女の涙にたとえられます。
*紫の花はオオアラセイトウ。紫花菜(ムラサキハナナ)、諸葛菜(ショカツサイ)の別名があり、線路脇や山の端等に群生します。
3月のお稽古は、コロナウイルス蔓延の為中止になりました。
例年より早い桜開花のこの頃でございます。
いよいよ春本番、花冷えの季節となりますので、皆様のご健康と、いっときも早い収束をお祈り申し上げております。
梅の花に誘われて、鶯の初音も聴かれる頃になりました。春の花は黄色から咲き始め、桃色へと山々も華やぎを増してきます。世界中で蔓延しているウイルスのことも、一時忘れさせてくれるようです。
今回は、お子様も成長され、20年振りに茶道をなさりたい方が見学にこられ、懐かしそうに一服のお茶と雰囲気を味わっていらっしゃいました。
受講生の皆様も熱心に、割稽古に励んでいらっしゃるご様子でした。
割り稽古を一通りしてから、お点前を半分づつ交代して頂きました。
花は檀香梅に椿、菓子銘は山茱萸、豊島屋製でした。
シビック庵は、お茶のお点前をなさりたい方だけでなく、お茶のお話しをお聞きになりたい方、お茶とお菓子で一服なさりたい方等歓迎しております。
お茶の心を感じていただける教室になるよう願っております。
次回は3月31日第5火曜日、4月は28日第4火曜日でございます。
どうぞお気軽にお出かけ下さいませ。
梅が、一輪、また一輪とほころぶこの頃でございます。本年も宜しくお願い申し上げます。
令和2年の初稽古は、5人の生徒さんが参加され、2か月ぶりなので割り稽古をして頂きました。袱紗捌き、棗の拭き方、茶巾のたたみ方や茶盌の拭き方等おさらいし、順番に半東をしてお茶をお出ししました。
床は「閑座聴松風」前大徳寺老師、花・水仙、花入れ・真塗 筒。
水仙は、季節の約束事等ございますが、昔は、蕾を沢山つける事から子沢山にちなみ結婚式や、又水に因んだその名から新築祝いに飾られたといわれています。
菓子銘は「福寿草」赤門前扇屋製でした。
外は冷たい雨の一日でしたが、水仙の香りに春を感じました。
シビック庵はお茶のお点前をなさりたい方だけでなく、お茶のお話しをお聞きになりたい方、お茶とお菓子で一服なさりたい方等歓迎しております。
お茶の心を感じていただける教室になるよう願っております。
次回は2月25日第4火曜日、3月は31日第5火曜日でございます。
どうぞ、お気軽にお出かけ下さいませ。