<シビック庵>だより【2019年の記事】

シビック庵でのお稽古の様子をお伝えします。


2019年11月19日・第35回

お寒くなってまいりました。

 

夏に白色の花で床を飾った令法(りょうぶ)はその小さな葉が色をつけ、晩秋を告げています。今日のシビック庵の床は、色づいたその小葉に椿を添えました。炉開きを知らせているようです。

 

お稽古の途中、ふと空調を止め耳を澄ましてみると、静寂の中でシンシンと音が聞こえてきました。お釜の湯が沸ってゆく音です。割り稽古の手をとめて、皆でお釜を囲み、暫し松風を聴きながら亥の子餅のお話、口切りの話などなど、お茶話しに花がさき心まで暖まるひとときでした。

 

シビック庵は、お茶のお点前をなさりたい方だけでなくお茶のお話しをお聞きになりたい方、お茶とお菓子で一服なさりたい方等歓迎しております。

お茶の心を感じていただける教室になるよう願っております。

 

次回は来年になります。1月28日第4火曜日です。お待ちしております。お気軽にお出かけくださいませ。



2019年10月22日・第34回

すだく虫の声もいつしか止み朝夕はひんやりとしてまいりました。木々の葉も少しずつ色付き、椿の蕾はまるで出番を待つかの様に見えます。

季節が進みました。

今日のシビック庵は床に尾花、紫式部そして達磨菊を添えました。

 

皆さんは夫々薄茶点前のお稽古です。帛紗を捌き道具を清めながら一手ひとて、割り稽古を確かめ点前が進んでいきます。緊張の中一服点てた後のホッとされたご様子に、一座も和みました。

来月は炉が開きます。

またご一緒に進んでいきたいと思います。

 

シビック庵はお茶のお点前をなさりたい方だけでなくお茶のお話しをお聞きになりたい方、お茶とお菓子で一服なさりたい方等歓迎しております。

お茶の心を感じていただける教室になるよう願っております。

 

次回は11月19日第3火曜日、12月はお休みになります。お気軽にお出かけくださいませ。



2019年9月17日・第33回

朝晩はひんやりとした冷気を感じ、空には鱗曇がたなびく季節になりました。

旧暦九月九日は、五節句の一つ<菊の節句>と云われ、前日八日に菊の花に真綿を被せて香りを夜露に移し、この綿<きせわた>で九日の重陽に身を拭うと老いが去り、命が延びると云う言い伝えがあります。

不老長寿を願う心は、何時の世もおなじですね。

 

今月は割稽古の進んだ方に初めてお点前をしていただき、薄茶を二服点てていただきました。お茶を点てる楽しみを味わっていただけたらと思います。他の方がたも袱紗捌き、茶杓の拭き方等少しづつ進んでいらっしゃいます。

床は「和敬清寂」、宗全籠に野菊、大毛蓼、刈萱、吾亦紅、宮城の萩等、秋草をいれました。お菓子は「喜久」豊島屋製。

 

シビック庵はお茶のお点前をなさりたい方だけでなく、お茶のお話しをお聞きになりたい方、お茶とお菓子で一服なさりたい方等歓迎しております。お茶の心を感じていただける教室になるよう願っております。

 

次回は10月22日第4火曜日、11月は19日第3火曜日でございます。どうぞお気軽にお出掛けくださいませ。

 



2019年8月20日・第32回

残暑お見舞い申し上げます。

蝉しぐれの毎日でございますが、夜半、虫の音も聞こえるこの頃でございます。

 

新しく会員になられた方には、袱紗のたたみ方の割り稽古や、濃茶の頂き方等学んで頂きました。一盌のお茶を皆で頂くことで、気持ちがひとつになります。

薄茶をたてて頂いた方には、お水屋での準備や片付けなど、道具の扱いを学んで頂きました。「お席で耳を澄ますと、お水屋の音から片付けの進行具合がわかる」との説明に、常に五感を研ぎ澄ます大切さを改めて認識致しました。

 

掛け軸は「日々是好日」、映画の題名にもなっております。何物にもとらわれない自由な心で毎日をあるがままに生きていけるように、精進したく存じます。お花は、処暑も過ぎチラホラ咲き出した秋草を、夏草に寄せました。お菓子は「桔梗」豊島屋製。

シビック庵はお茶のお点前をなさりたい方だけでなく、お茶のお話しをお聞きになりたい方、お茶とお菓子で一服なさりたい方等歓迎しております。 お茶の心を感じていただける教室になるよう願っております。 

次回は、9月17日第3火曜日、10月は22日第4火曜日でございます。どうぞ、お気軽にお出かけ下さいませ。



2019年7月9日・第31回

雨の空が続いておりますが、7月に入り半夏生の白と緑が夏を告げはじめました。梅雨明けも近いことかと思います。

近年、都心でホタルを見かけることは難しくなりましたが、茶室の中は掛け物やお茶道具、またお菓子などでホタルに会えることができ心嬉しいひとときになります。

 

今日のシビック庵お稽古は割り稽古を進めました。割り稽古はお点前を部分に分けて所作を習います。そののちに通しでお点前をしていただきました。基本の所作の大切さを改めてご一緒に学ばせていただきました。来月もまた一歩進めたらと思います。

 

お花はタマカワホトトギス、撫子、虎の尾、桔梗、刈萱

お菓子は  朝顔  豊島屋詰

でした。

 

シビック庵はお茶のお点前をなさりたい方だけでなくお茶のお話しをお聞きになりたい方、お茶とお菓子で一服なさりたい方等歓迎しております。

お茶の心を感じていただける教室になるよう願っております。

 

次回は8月20日第3火曜日、9月は17日第3火曜日です。お気軽にお出かけくださいませ。



2019年6月25日・第30回

夏至も過ぎ、半夏生が白くお化粧を始め、夏を告げる使者、萱草も咲き始めるこの頃でございます。

受講生の方々には、袱紗のたたみ方や、お道具の扱いなどを学んで頂きました。

体験者の方は、お母様が茶道をなさっていらした所作の美しい、背筋の伸びた方でした。小間で、お茶席のしきたりを学んで頂いた後、広間でお茶とお菓子で一服して頂きました。

 

掛け物は「大道透長安」、お菓子は「四葩餅 (よひらもち)」豊島屋製。お花は、萱草の蕾に下野を添えました。

萱草はゆり科の一日花で、別名<忘れ草>とも言います。「憂いを忘れる」の意で、万葉集や古今集でも故郷の恋しさや苦しい恋を忘れるために、萱草を身につけた和歌が詠まれ,源氏物語では喪に服す時、萱草色の袴を鈍色に合せています。

 

シビック庵は、お茶のお点前をなさりたい方だけでなく、一服のお茶に心癒されたい方、お茶を通して色々お話しなさりたい方等、歓迎しております。

お茶の心を感じていただける教室になるよう願っております。

 

7月は、9日第2火曜日、8月は20日第3火曜日でございます。どうぞ、お気軽に、お出かけ下さいませ。



2019年5月28日・第29回

年号も令和に改まり、最初のお稽古になりました。新しい時代が、平和で有りますことを祈ります。

 

茶席も風炉に変わり、庭に色付く紫陽花に梅雨の気配を感じます。

今回の体験の方は、「日日是好日」の映画をご覧になり、茶道に興味を持たれていらした方と茶道経験者で所作の綺麗な方で、お二人共まずは一服と差し上げた薄茶を、作法通りに召し上がっていらっしゃいました。

 

シビック庵は、お茶のお点前をなさりたい方だけでなく、お茶の話をお聞になりたい方、お茶とお菓子で一服なさりたい方などを歓迎しております。

お茶の心を感じていただける教室になるよう願っております。

 

次回は6月25日第4火曜日、7月は9日第2火曜日です。お気軽にお出かけくださいませ。



2019年4月27日・第28回

春の風が心地よい気候になりました。木々にそれぞれの花が咲き、また庭先や路地に小さな花を見つけると季節の進みを感じます。

今日のシビック庵の床は芍薬(シャクヤク)と山令法(ヤマリョウブ)を生けました。

 

お茶室の中はお茶ならではの様々な音が聴こえてきます。湯を茶盌に落とす音、お茶を点てる茶筅の音、再び湯の沸る音などなど、お点前を拝見するだけでなく、耳でまた時に香りも愉しむことができます。茶室の傍にある水屋でその音を追っていると中の様子まで見えてきそうです。

今日のお稽古は、皆さんで釜を囲み松風を聴きながら炉の季節を名残りました。来月から風炉になります。またお茶室の中で新たな発見がありますよう願っております。

 

シビック庵はお茶のお点前をなさりたい方だけでなくお茶のお話しをお聞きになりたい方、お茶とお菓子で一服なさりたい方等歓迎しております。

お茶の心を感じていただける教室になるよう願っております。

 

次回は5月28日第4火曜日、6月は25日第4火曜日です。お気軽にお出かけくださいませ。



2019年3月26日・第27回

南から北へと長い日本列島が、ピンクに染まる季節になりました。

平成最後のお花見になりましたが、青空に映える桜は一層美しく、花吹雪、花筏と散っても風情を楽しめます。

 

今月は以前体験にいらした方が、お二人お見えになりました。お二人には、お菓子やお茶のお運びを学んで頂きました。

お一人は11月に体験なさった方で、背筋の伸びた方で、感心致しました。

もうお一人の方は、1月体験に見えた方で、日頃からお抹茶を嗜んでいらっしゃるご家庭と伺いました。4月から大学進学のご子息様と一緒にお見えになられ、初めてお茶席の作法を経験されたご子息と共に、これからも皆様ご一緒にお茶を楽しんでいただけたらと、思います。襖の開け方や歩き方、床の間の拝見の仕方等、小間で割り稽古致しました。

 

1年以上習われていらっしゃる方には、小間で、袱紗のたたみ方とお棗やお茶杓の拭き方等を復習して頂きました。お席ではお茶談儀が弾みました。

菓子銘は「さくらさくら」、豊島屋製です。

 

シビック庵は、お茶のお点前をなさりたい方だけでなく、お茶の心を感じて頂ける教室になりますよう願っております。

次回は4月16日第3火曜日、5月は28日第4火曜日です。お気軽におでかけ下さいませ。

 

 

 



2019年2月19日・第26回

梅の花も満開になり、鶯の鳴く頃になりました。

 

菓子器からお懐紙にのせたお菓子は、春の花畑に黄色い小さな蝶が蜜を吸っているような姿で、向春の景色を見ているようです。茶席のお菓子は月々趣向を凝らして目を楽しませてくれますので、頂くのが勿体無い気が致します。

菓子銘は「 初蝶」、 はらやま製。

 

受講生のお二人共、お稽古を楽しんでいらっしゃいます。

 

シビック庵は、お茶のお点前をなさりたい方だけでなく、お茶の心を感じて頂ける教室になりますよう願っております。

 

次回は、3月26日第4火曜日、4月は16日第3火曜日です。お気軽にお出かけ下さいませ。



2019年1月22日・第25回

今日は年があらたまり、今年はじめてのお稽古になります。

シビック庵は継続の生徒さんはじめご体験者とご見学の方で広間は和やかなお稽古になりました。

今年の勅題は光(ひかり)です。稽古照今(いにしえをかんがえ  いまをてらす)などとありますが、先人に学び今を照らしていく光りになりますよう皆様とご一緒にお稽古に励みたいと思います。

 

シビック庵はお茶のお点前をなさりたい方だけでなくお茶のお話しをお聞きになりたい方、お茶とお菓子で一服なさりたい方等歓迎しております。

お茶の心を感じていただける教室になるよう願っております。

 

次回は2月26日第4火曜日、3月は26日第4火曜日です。お気軽にお出かけくださいませ。